2015年01月30日

Praatスクリプト:シンタクスの変遷

丁寧に扱おうとすると話が長くなる。ひとまずここでは簡潔に。

近年、Praatスクリプトの記述法に大きな変更が(数え方にもよるが)2回加わった。変更点は、変数の扱い(およびそれに伴う新規コマンドの追加)。ざっくりまとめると、おおよそ次のような感じ:

[1] 変数展開 (variable substitution)
シングルクオテーション [-version 5.3.43]
(例) Read from file... 'tgFile$'
[2] 変数展開不要 (variable substitution-free)その1:
do, do$, 括弧 [version 5.3.44-5.3.62]
(例) do("Read from file...", tgFile$)
[3] 変数展開不要 (variable substitution-free)その2:
コロン[version 5.3.63-]
(例) Read from file: tgFile$

(注:変更は段階的に行われたため、上に挙げたバージョンナンバーはあくまで参考程度にご理解いただきたい)

このうち、[1]から[2]への変遷については、以下のサイトで詳しく紹介されている。

Colorless Green Ideas>音声分析ソフトPraatのスクリプト機能の文法が大幅変更


[3]については、まだ詳しい解説はwebにはない模様。

変更されるたびに分かりやすいシンタクスになっているのは確かだが、新しいシンタクスの普及には時間がかかり、しばらくの間利用者に混乱を引き起こすものと見られる。去年出版された

Brinckmann, Caren (2014) "Praat Scripting" Jacques Durand, Ulrike Gut, and Gjert Kristoffersen (eds.) The Oxford Handbook of Corpus Phonology. Oxford University Press: 361-379.The Oxford Handbook of Corpus Phonology (Oxford Handbook in Linguistics) -

でも、[1]変数展開(obsoleteなやり方!)が紹介されている。web上にも、変数展開を使ったスクリプトがあふれている。もっとも、Praatではobsoleteなスクリプトでも動かすことができるので、その点では問題がない。しかし、obosoleteなスクリプトを見て勉強しようとすると、とたんに混乱しそうである(さらに、混乱を助長する要因として、[2]から[3]への移行期間が極めて短かったことも挙げられるかもしれない)。

このあたりのこと、いずれまとめたいとは思うが、今はひとまず新旧スクリプト法の対照表を挙げるにとどめておく:

praatnotation20150129.pdf (注:わかりやすさを優先し、歴史的には不正確な個所もあり;この表もいずれupdateするかも)

(本当はどなたか他の有能な人にまとめていただきたいと思っている)

また、Praatの作者(Paul Boersma)自身によるまとめとして、以下参照:



posted by ken at 07:50| Comment(0) | Praat | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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